何時もと同じ、その日常




「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

何時もと同じ日常が始まる朝、何時もとは違った声が恐竜やに響き渡った。

「えっ!?い、今の声、アスカさん??」
その声に凌駕は驚き、飛び起きた所がその瞬間、バタン!という物凄い音と、
ダダダダダーッ!!!・・・・という地響きなみの音が凌駕の部屋の扉の前を横切っていった。
その音に、恐る恐る扉を上げて見てみると、そこには力強く目的の扉を叩き、名前を呼び続ける幸人の姿が。


ちなみに部屋順はアスカ→凌駕&舞→幸人・一つ上の階にらんるである。



・・・三条さん・・・貴方、光速移動装置でもつけてませんか?
って言うか、つけてますね、間違いなく


そんなもの空想の中の産物だと判ってはいても、実際それに近いモノを見てしまった為
気軽に否定しきれなくなっている凌駕であった。


「ね、今の声どうしたの?それとその後の地響きみたいなのは?」
自室の前で佇んでいると、上の階かららんるがやって来て不思議そうに問い掛けてきた。
「ん〜声は判らないけど、後の地響きは三条さんの秘密アイテムが原因」
「何?光速移動装置でも作動させたの?」
「あ、やっぱりらんるちゃんもそう思う?三条さん、絶対つけてるよね」
「つけてるつけてる。後、瞬殺眼光ビームもあるわよ、きっと
「え〜それはないでしょう?あったら俺、何度となく的になってるよ。
・・・ま、心の底から欲しがってはいるだろうけどね」
凌駕さんは大丈夫よvだって腹黒スマイリー光線持ってるもの。相殺、相殺〜♪」
「ん〜・・・らんるちゃん、寝惚けてる?本音が出てるよv(腹黒スマイリー光線、発射)」
「え、やだ〜凌駕さんってばv本音はまだ隠してるってvv(元アイドルを舐めんなよ的笑顔防壁作動)」
それよりもアスカさん!どうしたのかな〜?そう言ってらんるは凌駕の元から
未だ扉を叩き続けている幸人の下へと進んでいく。
「あ、そうだった!」
凌駕もちらりと部屋の中を覗き、舞がまだ眠っているのを確かめてから急いでアスカの部屋へと足を進めた。





「おい、返事をしろ、アスカ!!!」
陽もまだ昇りきっていない時間だと言うのに、幸人は容赦なく扉を叩き、声を張り上げていた。
「ね、どうしたの、一体・・・」
「知るかっ!」
そう言って、幸人は声をかけてきたらんるをギロリ(瞬殺眼光ビーム作動)と睨みつけると
今度はドアノブに手をかけ、ガチャガチャと回し始めた。
しかしそれは完全には回らず、虚しい音を立てるばかり・・・・

「ちっ!仕方ないっ!」
幸人は回らないドアノブに見切りをつけると、今度は自分のポケットへと手を伸ばした。
そこから出てきたのは銀色の小さな物体

「・・・三条さん・・・それってまさか・・・」
幸人の背後で見守っていた凌駕が、出されたそれに目を丸くする。
「え?なんで?どうして三条さんがアスカさんの部屋の鍵を持ってるの?
らんるも同じように目を丸くし、問いただす。
そんな二人の質問に、幸人はピクッと肩を震わし、動きを止めた。



アスカの部屋の前、佇む三人の上に本来の早朝を現すかのような静けさが舞い降りる。




「・・・・・・・・・今はそんな事言ってる場合じゃないだろう」
そんな静けさを破ったのは幸人だった。それが合図だったのかのように、他の二人も
固まっていた口を動かし始める。

「って、今の間はなんです!?
気のせいだ、忘れろ。それよりもアスカだ、ア・ス・カ!
「それもそうだけど気になるものは気になる〜!!ね、どうして持ってるの?
アスカさんの知らないウチにこそっと合鍵作ったの?
それともアスカさんの判らないうちにちょちょっと合鍵作ったの?
それともアスカさんに黙ってパパッと合鍵作ったの?

「それじゃあどれも同じだろうがっ!!!!」
らんるの言い様に、思わず振り返ってそう怒鳴りつけるが、二人はちらりと互いに視線を
合わすと、



「「だってそれ以外考えられないし」」



心底不思議そうに、揃って言葉を吐き出した。
「お、お前らな〜っ!!!」
「ま、一番考えられないのはアスカさんが自主的に渡したって事だけど」
「あぁ、それはそうだね。もう確実決定絶対ない!
そんな事を言い出す二人に、幸人の血管が勢いよく浮かび上がる

「・・・・・・・・・・無くした時の予備として預かっている・・・とは考えられんのか!」
幸人は深く息を吸い込み、深呼吸して自分を落ち着かせると、未だ騒いでいる二人に向けて
そう告げた。
「え、そうなの?」
「そうなんですか?」
その言葉に、驚いた表情を向ける二人。
・・・どうやらその可能性は全く考えていなかったらしい。
幸人はそんな二人にピクリと眉を上げたものの、ほんの少しだけ視線をずらし黙り込んでしまう。
そして再び三人に訪れる静けさ。










「・・・・・・・・・・ま、そうとも言えるかもしれない。」


幸人はくるりと扉の方へと体を戻すと、今度こそ手に持っていた鍵を扉へと差し込んだ。
「ってやっぱり違うんじゃないですか!さっきよりも長い間でしたよ、今!!
「絶対今考えた言い訳たい!」
「おい、アスカ!開けるぞ!!」
怒鳴る二人に負けないよう、大きな声を部屋の中とかけ、幸人は閉じていた扉を開けた。


「・・・・ア・・・・スカ?」
「?どうしたんですか、三条さん」
ポツリと名を呟いたまま、玄関から入ろうとしない幸人に首を傾げながらも、それ以上動く様子
もない為、凌駕とらんるは幸人の両脇から半ば無理矢理体を滑り込ませた。
そんな彼らを出迎えたのは・・・・・


「み、皆さぁ〜ん」


そう言って半泣き気味のアスカ。
・・・そしてその側でちょこんと座っている、長いお耳を生やしたアスカのミニチュア版のような
子供であった。





「きゃ〜〜vvどうしたんですか一体!めっちゃ可愛いじゃないですか〜vvv」
そう言って一番先に動き始めたのはらんるで、黄色い声を上げるとさっさと部屋へと上がりこみ、
ボ〜っと見上げているミニアスカへと近づいた。
「あ、凄〜い、ちゃんと尻尾もある〜vしかもフワフワ〜vvv
呆然としているミニアスカを抱き上げ、らんるがその手触りを堪能していると、漸く意識が復活
したのか、後の二人も部屋の中へと上がりこんできた。
そして座り込んでいるアスカの目の前へと腰を下ろし、

「・・・で、どういう理由だ、あれは」
「ゆっくりでいいですからね?教えてくれます?」

と問い掛けた。その言葉に、アスカは小さく頷き 実は・・・・と話だした。

「朝、何かの視線を感じ目を覚ました所、ベッドの縁にあの子が座っていたのです。
で思わず叫んでしまったのですが・・・あ、そう言えばすみませんでした。
お休みの所、騒がしくしてしまって・・・」
そう言って頭を下げるアスカに、幸人は いいから続けろ・・・と先を促す。
「そうでした!あの、それでですね、気が動転していた所にブラキオから連絡がありまして、
どうやらあの子は私のダイノガッツの塊らしいのです」

ブラキオが言うには、日頃の戦いのせいでダイノガッツの消費が激しいのだが、同じくらいに
回復もしているらしい。しかし今回は回復した量が多かったらしく、その多かった部分が
具現化して出てきてしまったというのだ。

「あの子が何時まで存在しているのかまでは判らないそうですが、暫くはこのままではないかと・・・」
「で、この状況における、お前への影響はあるのか?」
シュンと頭を垂れるアスカに、それまで大人しく聞いていた幸人が口を開いた。
それに首を横に振って答えるアスカ。
「多分、それはないです。なので暫くの間、あの子を連れてブラキオ達の元へ行こうかと・・・」




「「「駄目(です・だ)!!!」」」




「え!?あ、あのでも、私はこちらにご厄介になっている身ですので、これ以上迷惑をかけるのは・・・」
アスカの提案を勢いよく却下した幸人達に、アスカは目を丸めながらもそう言いつのる。
だが・・・

「何言ってんですか、そんな他人行儀な事言ったら俺達もスケさんも、悲しいですよ?
俺達もう、家族みたいなものじゃないですか!」

「一人でなんでも突っ走るのはよせと言っただろう。大体そんなちみっこいの、なんの迷惑にもならん。」

「そうよ、アスカさん!もし出てくって言っても、絶対させないんだから!!第一・・・」






「「「ウサギは寂しいと死んじゃうん(だぞ・ですよ)!」」」





「・・・・・・・・・ウサギ?」
握り拳を固めてそう言う三人に、アスカの思考はついていかない。
辛うじて頭に残ったその言葉をポツリと呟いた。

「そう!この白くて長い耳!フワフワまぁるい尻尾!ウサギそのものでしょう?」
ニコニコと嬉しそうにそう言うらんるに、アスカは首を傾げつつ、告げられた名前の動物を
頭の中に思い描く。

・・・確かに生えている耳や尻尾は同じかもしれない。だが・・・

「なんで寂しいと死んじゃうんですか?」
もっともな疑問に、今度は凌駕が笑顔で答える。
「そういう体質らしいんです。これはちょっと昔に上がってきたらしいんですけど、
その時とても有名な人が、大勢の人の前で断言してましたから、間違いないですね」
・・・確かに言っている事には間違いはないが、大きな間違いが色々ある。
しかしそんな事に、アナザーアース生活・約一年のアスカが気付く筈もなく・・・

「そ、それは大変です!!大丈夫ですか?苦しい所はないですか?」

と慌ててらんるが抱いているミニアスカの元へと駆け寄った。
「すみません、そんな事とは知らずに・・・平気ですか?寂しくないですか?」
そう言って、そっとその頭を撫でると、ミニアスカは初めてニコリと笑みを零した。
その笑みに、アスカもホッと胸を撫で下ろし、笑みを浮かべる。

「・・・アスカ」
「はい?」
らんるからミニアスカを受け取り、優しく抱っこをしているアスカに幸人が声をかける。
「知っているか?寂しいと思っている人間が、誰かを寂しくさせないようになんて出来ない
事を。・・・お前はここを出て、俺達と離れて寂しくないと言えるか?」
真剣な声でそう言われ、アスカは少しだけ俯き、胸元に抱えているミニアスカへと視線
を移した。
そこには心配げに自分を見つめてくる、目が2つ。
アスカは安心させるかのように、優しくその柔らかな頬を撫でると

「そうですね、幸人さんの言う通りです。ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、
どうぞよろしくお願いします」

そう言ってペコリと頭を下げた。それを真似するかのように、ミニアスカもちょこんと頭を下げる。





・・・・・・・・・か、可愛い!!!!!




その様子を見て、思わず心の中で「よっしゃ〜!!」とガッツポーズをとる、三人。

「も〜アスカさんもちっちゃいアスカさんも、寂しいなんて言葉、思い出す暇もないぐらい構い倒しますから!
「お前はやめろ」
「え〜なんでですか〜。俺、三条さんの分までやる気満々なのに〜」
「勝手に俺の分を横取りするんじゃない!!」
「それよりも名前!名前決めてあげなきゃv」
「それと、日常品も必要・・・だな」
「・・・三条さん、今回は『サイズが違った』なんて言い訳、効かないですよ?」
!!?(←使う気だったらしい)そ、そんな事ある訳ないだろう!大体前のは本当に間違えたんだ!!」


「「・・・・・・・・へ〜〜〜〜」」


(怒)アスカ!朝食を食べたら直ぐに買い物に行くぞ!言っておくが四億に加算だからな!!」
「はい!有難うございます♪」


こうして、何時もとは微妙に違った朝が始まったのだが、
後日、ミニアスカの存在が『何時もと同じ』光景に組み込まれていったのは言うまでもない。

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という事で4万打となりましたvあまりにめでたいので増やしてみました(笑)
来てくださった皆様、本当に有難うございます!
そのお礼にもなりませんが、一応フリー小説、フリー絵となってますので、
よろしかったらお持ち帰りして下さいませ★



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太門さんのサイト4万打記念小説&イラストをらいかっぱしてまいりました(笑)
か・・・っ!カワ・・・っ!!みにうさアスカカワ・・・っ!!!
アスカの愛されっぷりがたまりませんvvうはぁ!!!
太門さん、これからも頑張ってくださーい!!!

2003/12/06