― 願い。―
キィン、キィン・・・・・・
刃と刃がぶつかり合う音。
この音が好きだ、と兄と組み手をしながら思う。
洗練された日本刀同士の澄み切った音。
思わず聞き惚れてしまう。
自信のあるスピードに物を言わせ、兄の懐に入る。
何時もと違う弟の動きで、一瞬、一甲に隙が出来た。
「隙有り!!」
下から上に刀を振り上げられ、一甲の刀が吹き飛ぶ。
一鍬はその隙に兄の喉下に刃を突きつけた。
「一本取ったぞ、兄者」
自信に満ちたその顔を見て、一甲は苦笑する。
「腕を上げたな、一鍬。・・・今度は俺からだ」
そう言うか否か、一甲は素早く刀を拾うと一鍬に向かって刃を振るう。
油断していた一鍬が慌てて刀で防御しようとする。が―――。
目の前に兄がいない。
しまった、と思った瞬間。
うなじに冷たい感触。
背中には兄の気配。
「まだまだだな、一鍬?」
「・・・兄者、ずるいぞ。不意打ちなんて」
「油断していたお前が悪い。さあ、これで一勝一敗だ」
キィン、キィン・・・
刃と刃がぶつかり合う音。
ジャカンジャとの戦いが終わっても
兄者とこうしていられますように。
日本刀で組み手する兄弟見て思ったネタ。
斗崎はこの澄んだ音大好きです。
洗練されきった音というか、なんと言うか。
2002、12、07 斗崎雷駿拝
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